益田大輔です。飛騨高山未来青年会さまの「益田氏よ、説明責任を果たせ!」に関して可能な範囲でお答えさせて頂きます。長文になりますことをご容赦ください。
「益田氏よ、説明責任を果たせ!」
https://yourfuture.hida-ch.com/e1196089.html
(1)医師の仕事を放棄して市長になるのか
(2)抱えている患者はどうするのか
精神医療の現場では主治医の交代はデリケートな事案ですので、4年前の時から患者さんにいつどのようにお伝えするのが良いか自問自答していました。
僕は元々、岐阜大学の精神科の医局の人事で2001年に高山日赤病院に赴任し、当初は1年の予定でしたが、後任の先生が来られなかったこともあり、かれこれ22年になります。須田病院に移ったのも医局の人事です。
一般的に人事権は大学の医局にありますので、日赤や久美愛では、科にもよりますが2年くらいで異動になることも多く、主治医交代自体は珍しいことではありません。
精神医療は社会的問題を扱う比率が高いので、より生きやすい社会に変えることが精神科医の貢献と考え、志しました。
医師の仕事を放棄するというよりは、コロナの対応も含め、医師だからこそと考えています。(感染症も言葉の病、心の病の要素があると考えています)
現実的に抱えている患者さんの引き継ぎは同僚の先生にお願いしています。須田病院の先生とは4年前からいろいろ話をしていて、精神医療に貢献する挑戦にエールを頂いています。
大学の医局から10月に藤田先生が須田病院に赴任されますし、岐阜大学精神科の塩入俊樹教授にも直々に応援頂いております。文化的処方といって、文化・芸術に触れることが認知症予防や心の豊かさにどのくらい効果があるかの調査・研究を高山をフィールドにやりたいと仰っています。
前回もトップセールスで医師を確保すると宣言しましたが、実際に来年の4月には児童精神科の先生も内科の旦那さんとともに高山にいらっしゃる予定です。
とはいえ、患者さんや家族さんからは「応援したいけど、応援したくない」と戸惑いの言葉を頂いています。
代わってもらって結構!と言われるくらいの医者であれば、そもそも挑戦する資格はないと思ってますし、僕が主治医じゃないとうまくいかないような関係性も精神医療としては好ましくありません。このあたりを考えて4年間仕事をしてきたつもりです。
一般的な転勤とは違い、高山市内にはいますし、処方はできませんが相談にのることは可能です。
生きづらい社会を変えるために挑戦することと、頼りになるお医者さんはいっぱいいますよとお伝えしています。
(3)行政経験はないが大丈夫なのか
22年間、民間の精神科医として働いてきましたので行政経験はありません。行政に限らず何を始めるにしても、最初は当然未経験ですので、経験豊富な市役所職員さんにご指導ご協力頂き真摯に学び、進めていきたいと思っています。僕は職員さんを信頼していますし、優秀な職員さんもたくさんいらっしゃいますので、個人的にはあまり心配していません。
精神医療もそうですが、業界の課題の答えは業界の外にあると言われています。寧ろ行政経験のないアイデンティティを活かし、精神科医の強みを持ってどう貢献するかが大切だと考えています。
公務員の疲弊・メンタルの不調は昨今の大きな社会問題です。精神科医・産業医として職員のこころを元気にして、市役所に健康経営を導入してパフォーマンスを上げていきたいです。
(4)「みんなで考える」はリーダーシップの欠陥をごまかすためでは
「みんなで」というより「みんなが」と考えています。
学習の単位は個人ではなくチームなので、リーダーシップ論は従来のトップダウン型ではなく、対話やファシリテーター能力がより重要視される時代だと思っています。
行政の役割は制度の設計や財政に民意を最大限に反映すること、市民の多様な意見やアイデアを政策に反映していくことだと思います。
民意の反映は首長選挙制度によって担保され、議会との二元代表制による相互補完的な両輪システムが原則ですが、実際に民意が十分に反映しているか悩ましい現実があります。(議員定数問題など、市民感覚と乖離していると感じることもあるかもしれません)
これからのまちづくりには、地域コミュニティの多様な意見やアイデアを集約し、政策の意思決定の土台となる民意が発信されるプラットフォーム的な対話の場が必要と考え、「みんなが」自分ごととして考えて、自由に未来を語る文化を創りたいとの想いです。
とはいえ、意思決定のスピードは重要です。特にコロナ対応ではスピード感を持った意思決定と説明責任が問われます。しっかりと対話して醸成していく事案と強いリーダーシップを持って決定していく事案を見定め柔軟に進めていきます。
対話の場は意思決定の場ではないので両立は可能と考えています。
(5)高山の人ではない「よそ者」
22年在住のよそ者です。60年でもよそ者みたいなので、あまり気にしていません。まちを変えるのは「よそもの、若者、バカ者」と言われますので、好意的に捉えています。
(6)結婚していない独身貴族
人生の綾ですね。こういう人生になるとはゆめゆめ思いませんでした。
誰もがある種のマイノリティ性(少数派)を秘めており、マイノリティに優しいまちはマジョリティ(多数派)にも優しいと考えています。いろいろ落ち着くまでは、宿命と考え受容しています。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
益田大輔 拝
先日のブログへの回答ありがとうございました。
非常に強い言葉で指摘をさせていただき、ご無礼申し訳ございません。
益田氏の想いは見ている方々に伝わったと思います。
我々も内容に感銘を受けました。
のこり僅かですが、精一杯頑張ってください。